会社経営者が集まると、ホントに集まった人数分の強烈な個性がそこらへんに溢れています。
さすがこの人の周りにはいつも人が集まってくるという社長や、ちょっと空回りしているけどいつも笑顔で元気な社長、自分はそれほど目立つ人間ではないという人に限って、最後の一突きが周りの人々に強烈な影響を与える社長、社長それぞれの個性があり、その個性を発揮してそれぞれの会社で手腕を振るっているのだろう・・・。
以前はそう思っていたのですが実は、みなさん会社に帰るとその個性に蓋をし、社長はこうあるべき、という態度や対応でそれぞれ元の鞘に収まるような振る舞いをされているようです。
社員の前ではホントの?自分の姿を見せることはできないのでしょうか?
あるいは見られては困るのか?
飲みすぎて人には見せられないような姿をさらけ出している状況は、それは社員に見られては困るかもしれませんが、もちろんここではそのようなことを言っているのではありません。
今回は、社長が普段から自分の個性を発揮して仕事をすることができているでしょうか?というはなしです。
当然のことですが、社長以外、全員社長ではありません。会社内は「社長か社長以外か」という構造になります。実は世の中もそうかもしれません。
組織図を作って、管理職、役員に出世したとて、彼らは雇われている人であることに変わりはありません。
このような構造が、社長は常に、社長以外の人たちから見られる立場になってしまいます。
そのせいか社長は、「こうでなければならない」というプレッシャーを常に感じなければいけません。しかしそのおかげで、いちばん権力を持ち権限を自由に行使することが可能な社長が、それを悪用、乱用することが抑えられているという面もあるでしょう。
では、周りからのプレッシャーにより、自由を抑え込まれていて窮屈な立場なのかと言えばそうではありません。
先ほど「組織図を作って」と申し上げましたが、この構造を作ることができるのは社長です。
社長は、自分の創りたい会社で、どのような機能が必要で、どんな役割分担で、どのようなメンバー構成で事業を作っていくのかを決めることができるのです。
本当の意味で周りから自由を抑え込まれて社長という役割をやっているのであれば、その状況で作った組織図は周囲の社員の意見ばかりを取り入れた、自分が望むようなものではなく、それは本当に窮屈な組織図になるでしょう。
しかし、この状況は言い方を変えれば、社長以外の意見を取り入れたとても民主的な組織と言えるかもしれません。
このように、組織図の決められ方を考えるだけで、会社の様子が見えてくるようです。
冒頭で社長の個性が溢れ返っている場面をご紹介しました。
この個性を会社内で発揮しなければ、会社は成長しません。社長以外の人たちの気持ちばかりを汲み取って振り回されていては、社長である自分がいちばん居心地の悪い会社を作る恐れがあり、それはとても持続可能なものではありません。
他の人の声を気にするかしないかというレベルの話ではありません。
「この会社は自分のもの!」と他の誰よりも思っているくらいでなければ、自分の個性を発揮する場所にはなり得ないのです。
自分のお気に入りの服を買ったとします。
周りの視線を気にして家から出ずに終わってしまうのでしょうか?ホントに気に入っているのであれば周りの声など気にせず堂々と出かけるでしょう。
外に出ずに着替えたとき、その服は次にいつ着る機会があるでしょうか?ホントに気に入っていれば、出かけた後は大事に保管し次に着る機会を作るでしょう。
これが持続可能な状況と言えるのです。
したがって「工場」というものは本来、持続可能な経営ができ、飲み過ぎて失敗するかのような場をわきまえない行動や判断さえしなければ、社長の個性の数だけいろいろな工場が存在してもいいはずなのです。
売上規模が大きな会社だけがよい会社ということではありません。給料が高ければよい会社であるとは限りません。タイミングによっては離職率が高いから悪い会社であるとも言い切れません。
しかし、「工場はこうでなければならない」という固定観念を持つ社長が、他の業種に比べてとても多く感じます。
その固定観念で出来上がった工場ばかりが全国にあれば、どこに頼んでも同じということになりますので、それはイコールあなたの工場でなくてもよいということです。
工場だからやらなければならない、と目的もなくカイゼン活動を行っていないでしょうか?
生産性向上のために必要だと思って取り組んだIT化は、ITベンダーに言われるままに、今はそんな世の中、補助金もあるから、と目的を見失って行っていないでしょうか?
社員にOJT、Off-JTなどの教育に取り組んでおられるかもしれませんが、その先にあなたが考えている作りたい工場があるでしょうか?やらなければならないからと固定観念に従って淡々と社員教育を行ってしまっていないでしょうか。
社長の個性が見えるような工場を作ることができれば、取引先にも社員にも選ばれる工場になる可能性が生まれます。価格の安さや給与の高さで釣り上げた人とのつながりではなくなり、持続可能な経営が可能になってきます。
一度、自分は今の工場でやりたいことがやれているのか?たった1分でも考える時間は持った方がよさそうです。
当社では、社長がどのような工場を作りたいのかを明確にしながら、業務効率化が必要なところは何か? それにふさわしいIT化は何か?を明確にしながら、社員が目的を持ち自主的に業務を遂行できる工場自動化経営の仕組みを提供しています。
会社には社長か社長以外の人しかいません。社長は圧倒的少数です。しかし社長以外のみなさんの何十倍も何百倍も影響力があり、一人の社長がやりたい事業を興すだけで、街の様子は変わります。そんな社長が増えることを願って止みません。