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コラム
2025.03.11

25.現場が変化への適応力を持つために必要なこと

よく話をする工場の役員さんから、在庫管理システムの導入後の話を聞く機会がありました。 
いつも通り、ボヤキが始まります。 

「在庫管理システムを導入したんですが、社員の作業が導入前より増えていて、省力化どころじゃなくなってるんです。それどころか、ピッキング間違いでトラブルまで起こしてしまって、こんなはずじゃなかったんですが・・・」 
この手の内容、システム導入の失敗例としてよくある話です。 

社長や役員さんが、ITベンダーの営業さんに勧められたものをそのまま導入し、現場がそれに対応できないというものや、現場の業務の流れが不明確なままシステムに合わせて業務をしなければならなくなった、というもの。 
簡単に言えば、現場が置き去りの状態で進められたシステム導入だということです。 
 
この話を聞いた時に、ふと、昔子どもと遊んだ時のことを思い出しました。 
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最近の子どもたちの遊びといえば、スマホでゲームがほとんどでしょうか。 
親としては疑問や罪悪感を感じながらも、ゲームに集中してくれている間に自分のことをしてしまおうとか、いい子にしてくれていると錯覚したりしています。 
まだスマホがそれほど普及していない時期には、スマホを持たせることはもちろん、テレビゲームをすることも、わりと親の制限が効いていたりして、それ以外のことをして遊ぶしかないという状況があったものです。 
そのような状況になっても、子どもたちは遊ぶことはやめません。 
何かを探して遊び始めます。 
ひもを両手に持って引きずって電車ごっこのように、家中を歩き回り、キッチンや玄関、テレビの前が駅になったり、 
おもちゃのじょうろに水を入れて、ただただ何かに水をかけ、その様子をじ――――っと見ていたり、 
付箋に絵をかいてパラパラまんがを書いてみたりして、仕事に使う付箋がなくなっていたり、 
などなど、それの何が面白いんだ?と思いつつも、子どもたちの想像力はすげーなあと思ったものです。 
 
トランプ遊びの相手をさせられた?ときのことです。 
ババ抜きは、普通、隣の人から1枚取って同じ数字が揃ったら場に捨てて、手持ちのカードが早くなくなった人が勝ちで、ジョーカーを持っている人が負けですね。 
子どもはそれを何となく理解してはいるのですが、「勝ちたい」「早く手元のカードを捨てたい」というのが先で、ちゃんとルール通りにしようとしません。自分が勝てるようなルールをその都度考え適用してきます。 
子どもの遊びですので、別にどうなってもいいのですが、友達がいたりすると話は別です。 
大人として子供たちにルールを守らせなければいけないという想いや、子どものやることだから自由にさせて楽しければいいと考えてみたり、その葛藤があったものです。 

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ここで急にシステム導入のはなしに戻しますが、 

子どもたちが、自分勝手にルールを作っていきそれを運用するという状況が、まさにシステム導入の際に現場の社員のみなさんがやっていることに当てはまるということです。 

社員のみなさんは、システムがどういうものかなんとなくはわかります。在庫管理システムという日本語を聞けばそれがなにをするものなのか見当はつくものです。 
しかし、その何となくわかるというレベルの社員のみなさんに、システム屋さんの「こうすればこうなる」「こうしなければならない」という言葉がすんなり受け入れられるでしょうか? 
ババ抜きのルールはこうだ!と言っているのを、子どもたちは簡単には理解できません。 
その点で同じだと言っているのです。 

そのような状況で在庫管理システムを使わなければならなくなった社員は、これまでの業務の流れと照らし合わせ、「こんな使い方すればいいんじゃないか?」と意図しない使い方がされたり、「この部分は今まで通りアナログ作業のまま進めよう」など、勝手なルールを作り運用されていくことになるのです。 

子どもたちと社員のみなさんと違うところがあるとすれば、子どもたちにとってババ抜きは初めてかもしれませんので、初めて教えられるルールは時間が経てば自然と受け入れられて行くでしょう。しかし社員のみなさんにとっては、これまで特に問題なく行ってきた在庫管理の業務が、システム導入とともに全く違うやり方に変わってしまうのです。場合によっては、在庫管理のルールも変えなければいけません。今まで”ざっくり”考えておけばよかったものが、システムにより数値化され”きっちり”やらなければならなくなるのです。 

この変化への対応は、実は社員のみなさんにとってはかなり苦痛なものです。 
それは、社員のみなさんのITレベルが子どもレベルだから、ということでは絶対にありません。 

これまでの環境が、変化への対応を不要にしていたということです。 
そしてその環境は社長が作っています。特にIT導入については、現場の判断で勝手に導入することは普通できません。社長の権限と決済がなければ進みません。 

また、システム導入を受け入れることができる環境、社員のみなさんのITレベルも、社長が作った仕組みやルールにより決まってしまいます。 
最近では、IT導入どころか、AI導入が必須の世の中になってきました。 

みなさんの工場では、そのような世の中の変化を受け入れることができる仕組みやルールになっていますか? 
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