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2025.03.18

26.仕組みについて考えなければいけないこと

暖かい季節になってきました。 
世間では桜の開花時期の話題をはじめ、春を感じさせるニュースが多くなってきましたが、同時に、花粉症で大変だっていう話題も多くなってます。 
 
そういう私も花粉症。 
鼻水はあまりないのですが、目が乾く感じに加えて、かゆくて仕方ありません。 
花粉症による生産効率の低下で、何億円もの経済損失があるという試算も出ていましたが、たしかに、パソコンに向かい目を擦りながらのキーボード操作は全くはかどりません。一旦目を擦って息を止め、その間に猛スピードで入力する、の繰り返しをしています。 
 
今年は今まで以上にひどいため、さすがにこれでは仕事にならないと思い、人生初と言ってもいい、眼科に行ったときのことです。 
 
田舎ですので、選べるほどたくさんの眼科があるわけではありませんが、そのいくつかの病院のホームページを見たり、SNSでの発信を確認するなどして、眼科を決めました。 
 
都会のカフェのように、まずはカウンターでの注文からなのか、はじめに席を取っておいた方がいいのか、席についたら店員さんが来てくれるのかなど、仕組みのよくわからないところに入るのはホントにドキドキするのですが、病院では、スマホから予約するところが増えてはきましたが、通常、玄関入ってすぐ受付があり、「診察お願いします」と言えば、だいたい間違いがありません。 
 
ところがこの病院、入ってすぐ待合室。受付が見当たりません。 
恐る恐る奥に入ると受付がふたつあります。 
どちらに声を掛ければいいのかわかりませんでしたが、意を決して、左側の受付に向かいました。 
決め手は勘です。 
後でわかったのですが、どうやら左側は通常の診察、右側がコンタクトレンズ専用の受付のようでした。 
 
受付の話はまだこれからです。 
社歴の長そうな受付の女性がひとり座っています。恐る恐る近づき、勇気を振り絞って声を掛けました。 
「初めてなんですけど、診察お願いします・・・」 
すると返ってきたのは、 
「まずはこれを読んでください。それでも良ければこの紙に名前をお願いします。」 
と言ってそこから別の場所に移動されました。 
返ってきた言葉が一語一句すべてあっている自信はありませんが、この対応を丁寧な対応とはとても感じられませんでした。 
 
そして、読んでくださいと渡された、くたびれたクリアファイルに入ったいつ印刷したのかわからないようなA4のコピー用紙。何が書いてあるのかの説明をまったくすることもなく、「それでも良ければ」という言葉。 
その出されたものを読むまでもなく、私には都合の悪いことを言われていて、それでもいいんならどうぞ、という空気が一瞬にして作られました。 
 
目がかゆいのはすっかり忘れていましたが、せっかくここまで来たのですから、出されたA4用紙を読んでみました。 
 
概要は、この時期とても患者さんが多いので、少なくとも1時間以上は待たなければならないとのこと。医師もすべてに対応できないかもしれないので、周辺の眼科医院を紹介する、というものでした。 
 
たしかに待合室はいっぱいで座れない人もたくさんいます。 
私はただ目がかゆくて来ているだけで、目薬もらって帰ればいいやとしか思っていませんでしたので、大きな病気が潜んでいるかもしれないのでしっかり検査、診察してくださいと望んでいるわけでもありません。 
 
結局、時間もないのでドラッグストアで薬を買って帰りました。 
少しイライラしながら会社に帰って、目薬を差して落ち着いて考えたとき、気付くと「自分をイライラさせたのはなんだろう?」と考えていました。 
 
受付のある場所からわからない建物のところから始まっているのか。 
ベテランの受付さんの態度にイラついたのか 
A4コピー用紙の内容に疑問を持ったのか 
結局診察してもらえずに無駄な時間を過ごしたからなのか 
あれこれとこれまでのプロセスを考えてみましたが、どれ一つとっても決定的な原因にはなりません。 
建物のせいでもありませんし、受付のおばさんのせいにしても始まりません。 
 
これらは個別の事象であり、大きな仕組みの中で起こっています。 
 
この病院の場合だと、目がかゆいだけで選ばれるかかりつけ的な病院であるということが社会の仕組みから出来上がってしまっています。花粉症患者が増える今の時期なら、殺到するのも仕方がありません。そのため対応が雑になるということは理屈としては成り立つでしょう。 
しかし、そのような外部環境のせいにしていても、これもまた何も始まりません。 
 
工場経営も同じです。 
与えられた環境の中で、自分の会社をどのような会社にするのか、という理念やビジョンのようなものがあり、それを実行するための仕組みがなければ、何事も、個別の案件に対応する人任せになってしまいます。 
応対の丁寧な受付の方がいればイライラも少しは減ったかもしれませんが、そのような人が配属されてしまう仕組みは、これは会社の長が意図せず作っているのです。 
丁寧な対応をしなさいと教育しても、そうせざるを得ないような仕組みがあるはずです。 
 
このような仕組みづくりが、社長の一番の大きな仕事です。 
会社の総責任者です。原因は自分にあると捉えなければなりません。 
今起こっている問題は、これまでの会社の歴史の中で自然に作られた、言い換えれば社長が放置してしまったがために出来上がってしまった仕組みに原因があるかもしれません。 
 
そう考えると私が不快になったホントの原因は、自分がこの眼科を選んだことと、そんなことを気にする自分の心の持ちようなのかもしれません。 
 
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